王子様ができるまで
「おー。お前が転校生の小鳥遊 妃名か。
俺は鶯路特別教科を受け持ってる、葛西だ。」
「鶯路…特別教科?」
「あぁ、鶯路特別教科っていうのは…っていうか、お前らは何やってんだ!」
葛西先生の言葉に、ゆっくりと後ろを振り向くと…
窓側の一番後ろの席に座る慧くんの長い足が、その隣の夕紀くんの机の上に乗っけられていた。まるで足置きのように…。
それでも夕紀くんは全く気にした様子もなく、椅子に深く腰掛けてスマホを弄っている。