王子様ができるまで


「しかも、鶯路特別教科で…。」


そう言って呆れた表情を浮かべる葛西先生。


鶯路特別教科って、何なんだろう…。


その時…
トントンっと肩を叩かれ、隣の席の方を見ると、ニコニコぉーっとした笑顔を浮かべる男の子が座っていた。

なんというか…小動物系?

クリクリした目に、すべすべの陶器肌。
ちょこんと置かれたようなピンクの唇は、キュッと引き締まっていてどこか品がある…。


ーーーバンビ?

…そう!まさにバンビみたいなイメージの男の子。


「妃名ちゃん、だよね?僕、高野雪哉。ゆっきーって呼ばれてる。
よろしくね。」


「あ、うん。よろしくね。」

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