王子様ができるまで


「もちろん普通に数学とか英語もやるよ。鶯路特別教科はあくまで特別教科だから。」


「そ、そうなんだ…。」


でもさ、よく考えてみてよ…。

私、女だよね。じゃあこの授業意味なくない?
私が王子様になる必要なんてないんだから。


男子校に来て早々こんな壁にぶち当たるとは思ってもいなかったよ…。





「お前ら本当にいい加減にしろよ!!!」

っ!?

いきなり葛西先生の怒鳴り声が教室に響き渡った。


「この教科落としたら、進学できないんだぞ。」


葛西先生は、後ろの二人(言わずとも誰だか分かると思うけど)に向かって、そんな言葉を投げた。

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