王子様ができるまで


「まぁまぁ、葛西ちゃん。こいつらに怒ってもしょうがないってー。
ってか小鳥遊さんどうすんの?鶯路特別教科は小鳥遊さんには必要なくない?」


廊下側に座る男の子が、私の気持ちを代弁してくれた。


「ったく…。
あ、それはだな、理事長から直々に指示が出てるんだよ。」


指示…?


「そもそも小鳥遊がこのクラスに転校して来た理由、分かるよな?」


先生のそんな言葉に、クラス中の視線が全て後ろに向けられた。多分、慧くんと夕紀くんの方。


「そうだ。あいつらが職権乱用したからだ。」

さっきの男の子の言葉に、葛西先生は大きく頷きそう言った。

職権乱用…?

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