王子様ができるまで

「うわ…す、っごー…。」


真っ白なレースのカーテンが揺れる大きな窓に、小さな百合の花がたくさんあしらわれたベビーピンクの壁紙。


ツルツルに磨かれた木目が美しい床と、その上に置かれた全て猫足の可愛らしいテーブルやソファ。


極め付けに、天窓のように天井に嵌め込まれた花の形をしたステンドグラス。花びら一つ一つの色がそれぞれ違っていて、見上げた太陽が七色に輝いている。

そこから差し込む光が、部屋の中に虹をかける。



世界中の可愛い物を全て集めたようなその部屋は、女の子の夢そのものだった。


「か…可愛い…。」


「ふふふ。
気に入ってくれて良かったわ。」


?!

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