おたのしみ便
鏡子と同じように、わたしは母にもらったノートのページを切り取り、手製の封筒を作った。
そこに漫画誌の付録のシールやレターセット、メモパッドから切り離したメモ用紙を、少しずつ入れた。
でもそれだけでは、鏡子にもらったものに比べてずっと、ボリュームが物足りない。

他に何か、おすそ分けできるものはないかな。
そう考えたとき、いいものがあることを思いだした。
母に買ってもらった、いいにおいのするポケットティッシュ。
銀色のパッケージにもティッシュそのものにもサンリオのキャラクターが印刷されている、たまらなくかわいいやつだ。
5つ連なって入っていたそれは、まだ4つ、手付かずで机の引き出しに残っている。

漫画誌の付録のレターセットの封筒に、ティッシュをひとつと「おたのしみぶくろ」を入れると、鏡子から届いた封筒と同じようにぱんぱんに膨れた。
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