おたのしみ便
わたしは満足し、母にもらった便箋に鉛筆で手紙を書いた。
生まれて初めての手紙だ。
「きょうちゃん おてがみありがとう。
おたのしみぶくろもありがとう。
これからもいっぱいあそぼうね。」
折りたたんだ便箋を封筒の内側に沿わせるように差し入れると、のりしろにたっぷりと糊を塗り、封をした。
「できた……」
思わず声に出た。
ボリュームのある厚みをうっとりと見つめた。
「お母さん、お母さんっ」
完成したばかりの封筒を持って居間へ駆けてゆく。母は台所で夕食の支度を始めていた。
「お母さん、きょうちゃんの住所教えて」
「はいはい、もうできたのね……あら、もう糊づけしちゃったの?」
わたしの手に握られた封筒を見て、母は言った。
「その上からじゃ書けないでしょう」
「えっ」
「先に宛名書いてから封しなきゃ」
鶏肉を切っていた母は、手を洗いながら苦笑いした。
生まれて初めての手紙だ。
「きょうちゃん おてがみありがとう。
おたのしみぶくろもありがとう。
これからもいっぱいあそぼうね。」
折りたたんだ便箋を封筒の内側に沿わせるように差し入れると、のりしろにたっぷりと糊を塗り、封をした。
「できた……」
思わず声に出た。
ボリュームのある厚みをうっとりと見つめた。
「お母さん、お母さんっ」
完成したばかりの封筒を持って居間へ駆けてゆく。母は台所で夕食の支度を始めていた。
「お母さん、きょうちゃんの住所教えて」
「はいはい、もうできたのね……あら、もう糊づけしちゃったの?」
わたしの手に握られた封筒を見て、母は言った。
「その上からじゃ書けないでしょう」
「えっ」
「先に宛名書いてから封しなきゃ」
鶏肉を切っていた母は、手を洗いながら苦笑いした。