メガネをはずした、だけなのに

 してやったりの可愛い笑顔を見せるニコルを、賢斗くんが見下ろすように視線を向ける。


 そして、目を細めながら冷たい表情でクールに口を開いた。


「どこのヤンキーかと思ったぜ」


 その言葉を聞いて怒ったニコル!

 頬を膨らませ、両手で賢斗くんの胸元をポカポカたたきながら叫んだ。


「金髪だからヤンキーって決めつけないでよ~!」


 無表情でニコルの青い瞳を見つめる賢斗くん。

 不良少女、ヤンキーあつかいされて涙目のニコルに向かってクールに言う。


「学校に来るときぐらい、カラーコンタクト外せよな」


「金髪も青い瞳も生まれつきなのに、賢斗クンひどいよ~! えぇ~ん!」


 すぐ背後で二人のやり取りを見ていた私は、顔を引き吊らせてる。

 夫婦漫才のような会話をしてる賢斗くんとニコル。

 私と同じ中学校に通学してた二人は、いつもこんな感じ

 女子に対して冷遇で酷い物言いの賢斗くんだけど、なぜかニコルとは気が合うみたい。


 遠巻きに見ていたら、仲の良い恋人同士に見えてしまう……



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