メガネをはずした、だけなのに
9.私がトイレの花子さん!

 ほかのクラスは、すでに宿泊研修のグループ分けを終えていた。


 私が委員長を勤めるB組だけ話がこじれ、未確定のままになっている。

 相葉くんの提案で、次週の学級会議で話し合うことになってたけど……

 今日の放課後、クラスメイト全員で居残りして決めようという話になっていた。


 もちろん、みんな早く帰りたいから不満不服の文句が凄い。

 でも、相葉くんは逆にそのほうがいいと話してる。

 部活や帰宅したい生徒は、物事を早く済ませようという傾向があるので何でも同意してくれるらしい。


 これも、生徒会経験者の相葉くんだから思いつく作戦だ。


 今のところ、委員長の私や先生の耳にグループ分けの具体的な提案は聞かされてない。

 相葉くんは、放課後の臨時学級会をどんな手段で進行するんだろう。


「それでは、学級会を始めたいと思います!」


 委員長の私を押しのけて、教壇に上がる副委員長の相葉くん。

 黒板に議題など何も書かず、右手で前髪をかき上げ流し目でクラスメイトを見つめながら話す。


「先日、決めることができなかったグーループ分けの件ですが……」



 静まる教室に、相葉くんの声が響く。



< 101 / 184 >

この作品をシェア

pagetop