メガネをはずした、だけなのに

「先生の指示で決まりました!」


 教室がザワザワと喧噪で包まれる。

 そんな中でも、相葉くんは顔色を変えない。

 先生を見ると、首を横に傾げ唸っていた。


 一緒に教壇の上へ立つ私も初耳なので、どうしていいかわからない。

 困って相葉くんを見ると、眼鏡のフレームを指先で持ち上げ余裕の表情で話し始めた。


「静粛にっ!いいですか諸君、よく聞いてほしいっ!」


 みんな口を閉じて、相葉くんの話に聞き入ってる。

 委員長の私は、横に立ってるだけで何もできてない。


「男女とも、出席番号順に六名ずつの班になります!あしからずっ!」


 すごく強引だけど、クラスメイトからの異論は出なかった。

 みんなブツブツと文句を言ってるけど、最終的に出席番号順のグループ分けで賛成する。


 早く部活へ行きたい人と帰宅したい生徒ばかりなので、多少のことは目を瞑ってもらえるみたい。

 相葉くんの作戦通り、短時間で臨時の学級会は終了することができた。

 嫌な事を押しつけられた先生は、腑に落ちない表情でブツブツ文句を言ってる。



「先生の指示で出席番号順?そんなこと話したっけ……」



< 102 / 184 >

この作品をシェア

pagetop