メガネをはずした、だけなのに

 たくさんの生徒が歩いてる廊下で、相葉くんがタヌキって騒いでるよ!


「相葉くん、なんでもないから……」


「綿貫タヌキくん!」


「はいっ!いいえ、タヌキちがいます!いや、綿貫だから、あってる?」


 頭が混乱するようなことを言いたくて、私に話かけてきたのかな。

 もう、ワタヌキなんだかタヌキなのか、自分でも分からなくなってきたよ!


 まともに相手をしてたら疲れちゃう。

 ここは無視して、教室に戻ろう。


「ごめんなさい相葉くん、先に行くね」


「どこへ行くんだ綿貫くん」


「教室に戻るだけだよ」


「しかたない、僕も付き添いとして行動を共にしようではないか!」



 私は相葉くんを無視して歩き出し、教室へ一人で向かってる。



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