メガネをはずした、だけなのに
11.予想外の出来事
翌日の昼休み、私は先生に呼ばれて職員室へ行くことになっていた。
食事を素早く終わらせて、一緒に話をしていた女の子たちに事情を説明すると、立ち上がって教室を出る。
「綿貫くん、どこへ行くんだあぁぁぁー!」
食事中の相葉くんが叫んでたけど無視、急いで廊下を小走りする。
昨日、女子トイレ前で騒いでた事件が噂になっていた。
クラスを代表する副委員長という立場なのに、相葉くんらしいと女子は笑い飛ばすだけ。
私のことを、地味子だのタヌキだのトイレの弓子さんだとか、色々と言われ放題の事情を知ってるクラスメイトが気を使ってくれた。
「まさか、お弁当を持ったまま追いかけてこないよね……」
一応、振り返って見るけど相葉くんの姿はない。
胸を撫で下ろして歩く速度を緩め、廊下をゆっくり歩いてる。
食事が終わる時間帯じゃないので、廊下を歩いても生徒の数は少ない。
梨木くんの彼女さんに遭遇する感じもないので、穏やかな心境で職員室に向かっていた。
「失礼します」
扉をノックして職員室に入った私は、一礼して担任教師のところに歩き進む。