メガネをはずした、だけなのに

 いつもクールで沈着冷静な賢斗くんは、涼しい顔で無言のまま。

 私は恥ずかしさで頬を赤く染めて、膝をガクガク震わせながら口を開いた。


「あのあのあの!」


 先生は動揺する私を見てニヤリと微笑んでる。

 挙動不審な態度をとる私を見て、胸の内を見破られてしまったようだ。


「すまん冗談だ。いや、冗談じゃないのかもな」


 先生に、私が賢斗くんを好きだということがバレてしまった。

 どうしたらいいの、賢斗くん!


「先生、その話し長くなりそうですか」


 顔の表情を変えず、クールに言ってくる賢斗くん。

 うまく話を反らして話題を変えてくれた。


 先生の前で、私たち付き合ってます!と宣言できる日がくるといいな。

 私が妄想して頬を緩めてると、賢斗くんが咳払いを始めた。



「あっ、ごめんなさい……」



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