メガネをはずした、だけなのに

「今日は、あの日だろ?後は先生がうまくやっとくから」


「あの日って、なんでしょうか……」


 なんだろう、さっぱり思いつかない。

 身に覚えもなければ、大事な約束をした記憶もなかった。


「本当に誰からも聞いてないのか?」


「すみません、まったくわからないんです」


「なるほど……」


 先生は、脇に抱え持っていた大きめの茶封筒を私に手渡してくる。

 首を横に傾げ、不思議顔の私は何も考えず素直に受け取った。

 でも、中身が何か聞かされてないので不安を感じてしまう。


「周りの生徒から見られないように、中を覗け」


「はい」


 私は先生に言われた通り茶封筒の中身を見た。



「えっ!」



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