メガネをはずした、だけなのに

「わたくし相葉亮太は副委員長の経験ではなく、生徒会副会長に在籍してたのだ! ぐはははっ!」


 胸を張って自慢をする相葉くん。

 どうやら先生は、プロフィール欄に書いてある副会長と副委員長の文字を見まちがえたようだ。

 なんて適当でいい加減な担任教師なのだろうと、あきれて言葉が出ない。


「じゃあ、これから職員室に行って、相葉くんのほうがB組の学級委員長に適任ですって先生に言ってきましょうよ」


「綿貫くん、その提案は認めないぞっ!」


「どうして?」


 相葉くん、副会長経験者だと私に自慢したかっただけなのかな。

 ちょっと(から)みづらくて、どう対応していいのやら……


「じゃあ、このままでいいのかしら?」


「委員長の選任は先生が決めたこと、ゆえに否定はしないのだよ」


「そうなんだ……」


 ちょっと苦手だな、こういうクセのある同級生の男子。

 などと心の中で呟いてたら、相葉くんがとんでもない事を言い出した……



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