メガネをはずした、だけなのに

 サラサラの前髪を左手でかき上げ、右手の人差し指を私に向ける。

 そして、相葉くんが流し目で私を見つめながら言ってきた。


「綿貫くん」


「はい……」


「学級委員長はクラスの顔ですよ」


「はぁ……」


「ズバッと言います! 綿貫くん、キミは地味だ!」


「……えっ、なんですって!?」



 フンッ、と鼻を鳴らして相葉くんは私の前から立ち去っていく。

 外見はカッコイイ部類に入る秀才肌のイケメン眼鏡男子なのに、女の子が傷つくようなことを平気で言ってくる。

 今日、初めて顔を合わせたアナタに地味だなんて言われたくないわっ!


 そういえば、学校に登校してくる通学路で、賢斗くんやニコルから同じようなことを……


 私って、そんなに地味かな……



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