メガネをはずした、だけなのに

 本当は委員長と副委員長、共同で書類制作するよう先生から言われてた。

 だけど、私は図書室の目立たない場所にある席に座って作業を進め提出。

 もちろん、相葉くんから隠れて一人だけで終わらせた。


 一年B組の教室で、二人だけの共同作業なんて息が詰まるよ。

 時間だって倍以上かかると思うし、メンタルが削られて落ち込んじゃうかもしれない。


 勝手に私一人で制作した書類は、さっき先生に提出してきた。

 だって、相葉くんと一緒だと面倒くさいんだもの。


「口を動かしてお話もいいけど、手も動かしてね」


 と、相葉くんにお願いした事がある。

 すぐに逆ギレして大騒ぎ、酷いことを色々と言い返してきた。


「なんだと地味メガネ! 失敬だぞ!」


 眉根をヒクヒク吊り上げながら、あの時の私は耐えていた。

 でも、メガネを外してからの私は黙ってない、すぐに言い返してる。

 頑固な相葉くんも絶対に引かない、自分を正当化しようと騒ぎだす。


 結局は私が折れてしまうけど、前のようにストレスは溜まらない。

 相葉くんは残念な人だと、心の中で呟いて終わらせる。


 見た目は、眼鏡をかけた長身の格好いい秀才イケメンなんだけど……



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