メガネをはずした、だけなのに

「心配したんだぞ」


「……」


 どうして相葉くんが私の心配をするんだろう。

 いつも酷いこと言ってくるのに。

「放課後、一緒に書類をまとめて先生に提出する手筈だったじゃないか」


「そうだけど……」


「いくら待っても姿を見せないから、校内を探し歩いてたんだ!」


「えっ、どうして?」


 私は両手を胸元に当て、平常心を装う。

 相葉くんが私の顔を見つめながら、静かに話かけてきた。


「綿貫くん」


「はい……」


「キミのことが心配なんだ」


「私の、ことが……」



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