メガネをはずした、だけなのに

 壁ドンの次が告白って、どういうこと?

 ニコルが愛読してる少女マンガみたいな展開になってる!

 胸がドキドキして張り裂けそうだよ!


「いつ見ても可愛いなって、思ってたんだ」


 なに言ってるの梨木くん、私を可愛いだなんて!

 ちょっと前までクラスメイトから地味子あつかいされて、あまり話かけられる機会も少なく……


 ……そういえば、梨木くん私のことを地味子って呼んだことない。

 でも、イメチェンする前の私に話かけてくることも無かった。

 いったい、どっちの私が好きなんだろう……


 緊迫した壁ドン状態の中で、不謹慎にも妄想を膨らませてる。

 ――その時、梨木くんが話した言葉に私は驚愕した。


「綿貫さんて、巫女さんらしいね……」


「えっ!」


 なぜ、この場面で唐突にそんなことを言うの?

 たしかに、私の家はこの地域に昔からある大きな神社だよ。

 でも、しかたなく家の手伝いをしてるだけなのに……


「梨木くんは、誰から聞いたのかな?」


「そんなの、どうでもいいだろ……」



< 69 / 184 >

この作品をシェア

pagetop