メガネをはずした、だけなのに
「グッドモーニング、弓子ちゃん!」
「ぐっどもーにんぐ?」
片言の怪しい英語で、背後から誰かが挨拶をしてきた。
慌てて振り返ると、長くて真っ直ぐな金髪に白い素肌、青い瞳をした女の子が手を振りながら笑顔で立っている。
私が通う高校と、同じ制服を着た外国人さん。
中学校からの腐れ縁で顔見知り、同級生の女の子。
名前はニコル・グラハム。
両親は外国の人なんだけど、彼女は日本生まれの日本育ちなので母国語や英語が大の苦手。
日本人よりも日本人らしい女子高生。
ご飯と納豆と演歌を愛する、青い瞳の大和撫子だ。