メガネをはずした、だけなのに
6.その画像は消去してください・・・
翌日、私は憂鬱な気持ちで登校してる。
通学路で顔を合わせたクラスメイトに挨拶しながら、学校へ向かっていた。
生徒玄関で靴を履き替え、廊下を歩いて教室に向かってる。
大きな階段を目の前にした時、誰かに声を掛けられた。
振り向いて見ると、ジャージ姿の梨木くんが笑顔で立ってる。
右手を上げて白い歯をキラッと光らせながら、元気に挨拶をしてきた。
「綿貫さん、おはよう!」
サッカーの朝練が終わったばかりのようで、これから部室に行って制服に着替えてくるのだろう。
でも、どうしてこの場所で私を待ち構えていたのかな。
ちょっと疑心暗鬼してしまうけど、気のせいだろうか。
たまたま廊下で私と顔を合わせたから、挨拶をした……
いや、昨日の今日だから怪しい目で見てしまう。
さすがに、生徒が大勢いる所で壁ドンしてこないよね。
「おはよう……ございます……」
私は視線を合わせないまま、おとなしい態度で話す。
梨木くんは悪気のない笑顔で、手に持っていたスマホの画面を私に見せながら話かけてきた。
「これ、サッカー部の奴からもらったんだ!」