メガネをはずした、だけなのに

「綿貫さんの神秘的なオーラで、次の試合は得点王だ!」


 ごめんなさい梨木くん、今の私には不のオーラしか出すことはできません。

 そんな画像に御利益なんか無いに決まってるでしょう!と大声で叫びたいよ。


 目を細めて画像をよく見ると、巫女姿の私の周りにオーブのような透明で丸い小さな粒が漂ってる。

 シャボン玉でないことは確かだ。

 樹齢が古い神木のある神社には、精霊たちがいる……


「とっ、とにかく消去!消去を要請します!」


「やだよ、気に入ってるんだから」


「あのあのっ、消去っ!」


 恥ずかしいのもあるけど、年上の彼女さんに見られたら大変だよ!

 この学校に在籍してる、気難しい性格の先輩に知れたら……

 すでに、梨木くんが私に告白した事実は広く同級生たちに知れ渡ってる。


 と言うか、梨木くんがみんなに言いふらしてるって聞いたけど……

 案外、口が軽いチャラ男かもしれない。

 どうしたらいいのか、頭を抱える私に向かって梨木くんが言ってきた。


「とりあえず、付き合うってことでOKだね綿貫さん」


「あのあのっ!」



 ――その時!



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