メガネをはずした、だけなのに
「意見がないので、本件は可決されました!」
数秒の沈黙が続いた後、相葉くんが強引に学級会を終了させた。
先生は嫌そうな顔をしてるけど、次に出したグループ決めの提案にクラスメイトは文句を言ってこないだろう。
学級委員長の私に直接なにか言ってくる生徒がいても、先生と一緒に考えたからと返答できる。
相葉くんが委員長になれば良かったのに、と心の中で思っていた時。
授業が終わるチャイムの音が聞こえてきた。
「何かあったら、先生は職員室にいるからな」
私と相葉くんに向かって、先生は気だるい態度で言ってくる。
眠そうにアクビをしながら背中を見せ、去り際に捨てセリフを残してく。
「後は任せたぞ~」
やる気のない言葉と態度で教室を出て行く先生。
学級委員にほとんど丸投げの状態で、姿を消していった。
鼻を「ふんっ!」と鳴らした相葉くんが、ニヤリと唇の端を吊り上げながら口を開く。
「ふふっ、やりやすいティーチャーだ……」