メガネをはずした、だけなのに
「眼鏡同盟が、なぜゆえに校則違反なのだっ!」
身振り手振りのオーバーリアクション、お一人様ミュージカル状態で騒ぐ相葉くん。
その姿を見ていたクラスメイトも、また始まったぐらいな感じで受け流してた。
「綿貫くん、愛してる~!」
「えっ……」
教室の中でクラスメイトを前に、突然そんなことを言われても……
私は頬を赤く染め、両手で口元を押さえる。
恥ずかしさで、胸がぎゅっと締め付けられてしまう。
私の気持ちを無視するように、相葉くんは「らららぁ~!」と歌い踊り続けてる。
クラスメイトも苦笑しながら、冷たい視線で見つめていた。
残念な同級生に絡まれる、可哀想な被害者の綿貫さん。
みたいな位置づけなので、愛してるの言葉も受け流されてしまう。
私は胸をドキドキさせたまま、小声でつぶやいた。
「気軽に、愛してるって言葉を使わないでほしいな……」