メガネをはずした、だけなのに
8.朝から頭の中がお花畑?
翌日の朝、通学路を歩いてると珍しくニコルと遭遇した。
長くて真っ直ぐな金髪と、低い身長で可愛らしい後ろ姿。
細身のスタイルに、高校の制服がよく似合う。
白いご飯と納豆と演歌を愛する青い瞳の大和撫子が、時間に余裕を持って登校する姿は珍しい。
いつも遅刻ギリギリの時間帯に、小走りで学校へ向かってるはず。
前を歩いてるニコルに向かって、私から声をかけてみた。
「ぐっどもーにんぐ、ニコル!」
「……あっ、おはよう弓子ちゃん」
「えぇっ!」
普通に挨拶を返してきたニコル。
いつも、ふざけて言い合うのが日課だったので拍子抜けしちゃう。
今日のニコル、ちょっと機嫌が悪いのかな?と思ったけど違うみたい。
大きな溜息をついて、落ち込んでるように見える。
「学校で何かあったの?」
「……」