メガネをはずした、だけなのに
「恋愛は関係ないよ……」
「えっ!じゃあ、なにがあったの?」
不安な表情をする私を見たニコルが、ゆっくりと話し始めた。
「きのう、学級会があったんだけど……」
一年生の全クラス、みんな同じ曜日と時間に学級会があるので、その時に何かあったのかと考えてしまう。
「……来月の宿泊研修に向けて、グループ分けの話し合いをしてたの」
「B組も同じだよ」
ニコルの言葉に答えながら、私は話を聞き進める。
そんなに深刻な問題がある訳でもなさそうだけど……
「公平にクジ引きで決めようって話になったの」
もめて何も決まらなかったB組とは大違い。
A組はクジ引きでグループ分けまでやったんだ。
「でね、一人ずつ箱に手を入れてクジを引いたんだけど……」
立ち止まったニコルの口から、予想をしていなかった真実が告げられる。
「賢斗クンがね……」