LIONの許婚

一人で生きると言う選択

何とか制服も、教科書も、桜助のブラックカードで払えた。
朝刊の配達もスーパーのバイトも
片が付いた、
仲良しの葵のお母さんに、バイトの保証人になって貰えた。
葵には勉強を教えたりたが、遊んだり悠里に仲良くしてくれた唯一の友だ。

葵には毒親事情があり家を出たと
伝えて、同情してくれた葵の
ママがスーパーと
新聞配達のバイトの保証人に
立ってくれた。

「ありがとうございます。
ご心配かけるような事は絶対
しません。」


葵のママは
「ずっと付き合って来た悠里ちゃんだもの、心配はしてないわよ
がんばりなさいね。」
そう言ってなんか嬉しくなった。


そして葵は羨ましいくらい幸せ者だと思ったそんな葵には感謝しかない。

葵は女子高へ、私は進学校へと
進んだ。

悠里の受けた進学校は
誰も知らない人ばかり、前の
中学から三人しか、合格しなかった。
しかも顔も知らない人ばかり。
ボッチだ。
明日の入学式が不安になる。

"友達が出来るのだろうか?"



ジャージを3枚重ね着して
だるまさんの様になって眠る。

実は、布団が無い。
靴下3枚、下着2枚、セーター
3枚、ボックスコート1枚


四月とはいえ、朝、夕は寒い。

縮こまって眠る。


今日は待ちに待った入学式だが、
慣れない新聞配達につかれ
2度寝してしまった。
小学校の
「おはようございます、今日も
一日元気でがんばりましょう。」
のアナウンスで目が覚めた。

桜佑の爺様が家を借りたり
建てたりする時は
小学校の近くがいい!
(変な建物がたちにくいらしい。)
そう言って、桜佑のマンションも
学校の割と近い距離に建てた



当然悠里の住むマンションも
同じ考えで、お爺様を納得させ
建ったようだ。

悠里は、バババツと着替えて
走る。
慣れない配達で疲れ寝てしまった
なんて、言える訳がない。

ハッハッハツ走る走る走る
学校が見えてホッとした。
時計がないから近くのコンビニに
時間を見に入る。

コンビニの店員さんは、何しに
来た?みたいな顔をしている。

「あー📱スマホ、欲しいな!」

学校の前にはクラス分けが白い紙に受験番号と名前がクラス別に並んでいる。

キャアキャアといつもの入学式の光景が
広がる。

皆、連絡先を交換している。
新しい友達が出来たんだなイイナー

二つにくくった髪を撫でながら
皆持っているスマートホ〇を
横目で羨ましそうに見る。

しかし今の着ている制服も 
このスクールバックも上靴も、
体操着も桜佑から借りたお金
から出ている
けちって、けちっても30万は
かかっている。

「親が居るって羨ましい。」

あの人達の親は、スマートホンを
買ってくれて、入学式にも
ビデオ抱えて、かまえている。
しかも夫婦で・・・
あれが親と言うものなんだな。

この年で借金持ちって私だけ・・・

入学式が始まる前に後ろの先輩達がキャアキャアキャアキャア言っているのが聞こえた、カッコイイ親でもいたんだろうか?

「おー、加納じゃないか
どうしたんだ?」


「先生お久しぶりです
知りあいが入学するので
来ました。」


「そうか後で職員室にこないか?
久しぶりに話もあるぞ!
以前の生徒会長が来るなんて
滅多に、こんな事無いからな!」


「先生、飲みたいだけでしょ。
今度お誘いしますね。」
そんな会話を生徒指導の先生と、
桜祐が話している事も知らず
悠里は寂しい入学式だった。
せめて桜祐が来てくれた事を
知ってれば又違ったかも知れない。


式が終わりホームルームも
終ると急いではしる。
スーパーのバイト
バスや自転車なんて今の悠里には
高級品、

親はには見捨てられたけど
普通以上に健康な体を授けてくれた
これには何時も感謝!
親から受けた何よりの
贈り物と思っている。

間に合った。
一時半に交代のオバチャンたちは
皆で世間話に花が咲いている。

悠里を見つけたオバチャンは
「ォ〰入学式?
おめでとう!」
胸に着けた桜の小さな造花を見て
オバチャンたちは興奮していた。

「ありがとうございます。」
と明るく返す。

「オーお祝い、お祝い。
オバチャンのポケから🍙🍙二個」

「じゃあ私もコレはい、
おめっとサン」

オバチャンのエコバックから
コロッケパン

「はいょ」

ポンと手のひらに渡され一瞬
固まった。

育ての親も何でも足元に投げていた。
給食費、も教材買うお金も・・・
自分は手渡しもして貰えない
人間だと思っていた。

最後に毒親は必ず

「卒業したら返してね。
借りたら返す鉄則な!」

そう言っていた。

あの桜佑さえも悠里にカードを
渡す時は投げてきた。
私は犬以下?犬か?
犬だってオヤツは手で貰うし
ドックフードだってお皿に入ってる。


「どーしたの?」
柔らかいオバチャン達の声に
涙が出てきた。

あの日から公園で、雑草を摘んだ。
ヨモギ、つくし、タンポポ
食べられる雑草はなんでも食べた。

一番お米が食べたかった。

「ありがとうございます。」
白米の白光がノリに包まれて
美味しそうすぎる。

「あーそんな泣く!
感激やサンだね。」

「じゃあ私もコレ🎉おめでとう。」
自販機にお金を入れてコーラを
買ってくれた。

「終わったら食べな!」
三人のパートのオバチャンたちは
ペチャクチャペチャクチャ話ながら帰って行った。

悠里は去っていくパートの
おばちゃん達に頭を下げた。

仕事が終わってバックヤードを
抜ける🍙🍙とコロッケパンと
コーラ今日はごちそうだった。


スーパーを出る前にバック検査が
あるためレシートが無いなら
万引きと間違われるから
全部、ロッカー室でたいらげた。

おばちゃん達の入学祝いで
初めてのお腹パンパン‼

お腹が膨れるとやる気も起きる。

店長に頼んで捨ててある、
発泡スチロールを往復して大量に
持ち帰る。ネギの入ってきたやつが一番いい。

ガムテープも5個購入。
プチプチも大量にゲット。
悠里の部屋はダンボール
発泡スチロール
プチプチで一いっぱいになった(笑)

発泡スチロールを繋いでガムテープで止めていく。

ベッドの下が出来上がり
O(≧▽≦)Oやったーぁ悠里は
早速寝てみた。
暖かい、そ のまま眠ってしまい
そうだ。

次に青色のレジャーシートを広げ
中にプチプチを並べ又ガムテープで止めていく。
又悠里は発泡スチロールの
ベッドにレジャーシートの
掛け布団を作成して寝てみた。

暖かい💕久しぶりの布団
悠里は嬉しくてそのまま寝て
しまった。
目が覚めるともうAM 一時を回っていた。
手づくりの布団から飛び出し
新聞配達の店舗へと走る

もうみんな集まっていて仕事を
している。
悠里は、配達用の
自転車に朝刊を積み込むと
町を駆け回った。


慣れない配達も終わり
急いで帰りコンビニで一杯の
牛乳を買う。

1ℓ198円何も食べ物が無い日は
1日を牛乳で繋ぐ。
冷蔵庫も欲しいな。
電気、水道は加納家が負担して
くれると、言われたが辞退

少し痩せ我慢し過ぎたかも

そんな生活が4月・5月・6月
と続いた。
新聞配達が四万、スーパーが10万節約に節約をして貯めて46万そのうちから微々たる食費をひいて3ヶ月で40万たまった。

桜佑に30万返せると胸が踊った。桜の満開の日から3ヶ月
借金返済の事ばかり考え眠れぬ夜も何度もあった。

悠里は、わくわくして桜佑の
マンションへと足を運んだ。

「このお金を返せば、あとの
お金は自由だ、自由に使える。
学費も成績トップは
免除されている。」

そう悠里は、休み時間を惜しんで
勉強していた。
結構いや、かなりカツカツな生活
の上に勉強、学校の授業料免除の
ための勉強、体はとうに、悲鳴を
あげていた。

友達なんて作る暇がない。


お金を返せば新聞配達は止めよう。
勉強に力を入れよう。
そう思っていた。


桜佑のマンションの
エントランスから番号を押す
エレベーターが開いて25階をポチッ☝"中指で押す。エレベーターは軽い音を立てて上昇
桜佑の部屋の前に立つた。


部屋番号は知っていた。
何かの時にと教えられていた。
が、肝心の電話がナイ
コンコンコン、
ドアを叩く
アナログなやり方だが手っ取り早い。

風呂上がりなのかバスローブ姿の
桜佑が出てきた。

なんの音かと出てきた。

防音設備の整った部屋
聞こえるか分からなかったが
小さく聞こえたっポイ

性格はすごーく悪いが、水も滴る
良い男なのは認めざる負えない。

「こんばんは‼」


「何の用事?加納
からなんか言ってきた?」

桜祐の、不審者を見るような目が
悠里には痛い。

仮にも許婚、そこ迄
嫌わなくても良いじゃないか!
私も嫌いだけどっ
そう思ったが言えない。

でもお金を返せば、
コイツと会うのも暫くは
なかろうとウキウキさえしてくる。

気分を落ち着かせ冷静になる。
仮にもお金の事だ、ちゃんと
しなくては。

「いえ、カードと。借りた金額の
30万返しに来ました。」

「借りた??カード?」

悠里は、カードと30万入った封筒を差し出した。

「いや、貸したんじゃない
あげたんだ、このカードは悠里が
生活するためのカードだ!
持っておけ。」

「いえ、要りません。
自分のせい、せいか、かつ・か・・カカカ」
フラフラア アラララ
あれあれあれグルグル回るw〰😵
桜祐が何人も見える‼

グルグル ´ 𖦹⍛𖦹 `。ヤバヤバヤバ
此処でブッ倒れる訳にはいかん
気合いで立っ
お金を渡して安心したのか今までのお疲れが出てきたのかふらついてしまった。

「何やってる?💢」

暫く寄りかかってドアを揺さぶり
  

桜佑は「中に入れ」と言った。
玄関に足を踏み入れた時に

「桜祐誰か来たの?」
と下着姿のボン・キュッ・ボンの
チョコレートブラウンの髪をした
綺麗なおねーさんが現れた。

おねーさんの髪も濡れていて
した後か?

いやいやお風呂でお楽しみか?
それか?一緒にお風呂上がり?
桜祐の言っていた彼女か?

まあ
ド━━━━━でもイイ感じ‼

あ、アハハハ帰ります。
綺麗な、おネーサンに
不審な顔でジロと見られれば
邪魔帰れ、と言われているのが
分かる。


悠里は、おぼつかない足取りで
桜佑の部屋をドキドキしながら
飛び出した。

カードとお金を返した安心感で
今日は水ではなく久々にコンビニでジャムパンを買おうと思った。
気持ちは有頂天
ジャムパンを食べて休めば
目眩も治る・・・多分


何ヶ月ぶりかのパン、
パン粉じゃない本当のパン

コンビニ近くで又極度の
目眩がした。クララ

ふらついて街路樹に寄りかかって
立っているとしっかりした腕に
支えられた。

「悠里、」



「あ、へ?桜祐?」

「お前なにやってる、大丈夫か?」

「え・・っと、だ大丈夫です。
ちょっと休んでるだけです。
買い物ですか?」
悠里はコンビニに桜祐が何か
買いに来たのかな?
と思った。


「は!? 送るよ。
つかまって!」

「いえ、私も買い物があるから
いいです。
大丈夫ですから・・・
ホントに
ホントに‼
イイです‼
せっかくのジャムパン
食べたい。」

桜祐を振り払いコンビニへと入る
ジャムパンを1個と、
何時もの牛乳に手を伸ばした。

悠里は、298円を財布から
取り出して、お支払い‼𖦹‎ࡇ𖦹‎

真っ直ぐ歩くのがこんなに・・・
大変なんて知らなかった。

レシートを財布にいれ
柔らかいパンが潰れないように
気をつけて袋に入れた。
パンを食べれる、うれしい。
100円のジャムパンはツヤツヤと
膨らみ、プックラまあるい。
見ているだけで
幸せになる。

貧血になってる場合じゃない。
シッカリしないと・・・
加納の家にも、
マンションのお金を返さなくては
行けないのに・・・
悠里は、しっかりとした足取りで
頑張って歩くドッスンドッスンと確実に歩く。
ここまでするのは意地だ
同情するなら放っておいてほしい。

如何に加納家の、物件でも
敷金は払わないと・・
1週間の、つもりが何ヶ月も
住み着いてしまった。


ロボット歩きをする悠里を
初めは( ゚∀゚)・∵ブフッ!!と笑って
いた桜祐だったが事態は、かなり
深刻そうに見えて、慌てて
駆け寄った。

あれれ?
視界が消えてい・・・く‼
真っ白




「貧血ですね。
食事はちゃんと食べてますか?
いやいや良く動けましたね。
かなり、やせ細って危ないレベル
ですよ。

目が覚めたら帰っていいですよ。
食事はちゃんと食べさせて
あげて下さい。」

桜祐にそう伝えて先生は
病院の、部屋を出て行った。
救急搬送された悠里は救急外来に
いた。

耳に救急車の🚨サイレンが聞こえた。
あれれ?
悠里が目を覚ますと点滴が見えた?
あれれ?

「目が覚めたか?」

桜祐の何時もの、冷めた声
じゃなく心配した声が聞こえた。

「あ、もしかして」

「ああ、俺の前で倒れたんだよ。」

「す、すみません
私帰ります。」

「いやどうせ近くだ。
送るよ。」

「いえ、一度帰らないとお金無くてその・・社会保険も無くて
全負担だから」

「プッハハハ」
桜祐は、急に笑いだした。
「それくらい出してやるよ。」

「と、とんでもない!
又借金になります。
駄目です。」

「は?借金したの?」

「はい。
カードから30万、でもお返し
しましたよね。」

「ああ、あれか?
あれは要らないよ。
現金ビニール袋入りとか笑える
又カード取りにおいで!」


「いえいえ、とんでもない。」
遠慮して、そう言う悠里に
少し不機嫌な顔を見せた。

帰る所はほぼ一緒
悠里は、看護師さんに一度帰って
明日、治療費を持って来ると言い張り、仕方なく桜祐も従った。

悠里は結構頑固者。

前も痩せ細ってはいたが、今はガリガリだ、頬はコケて目もくぼんでいる。

ゾンビに見えなくも無い。
悠里に給食と言う命を繋ぐモノが
高校生になった悠里には
今は無い、不便不便とは言っていたが中学は栄養士さんの考えた給食があるギリギリ一日一食はお腹いっぱい食べられていた。

今思えば中学生活は、恵まれていた

そんな物思いにふける悠里を
桜祐はジロジロと見ながら

栄養失調?食べていないのか?
ふと疑問が過る。


「桜祐さんありがとう
ございました。
お陰で二、三日食べなくても
大丈夫そうですニコッ」

桜祐は、冗談と思って
「まあな、点滴は栄養素ある
からな!アハハハ」

「そうなんですか、
知らなかったァー」
と悠里は、本気にしてしまった。
まあ嘘では無い。

マンション前迄行くと悠里は、
「本当にありがとう
ございました。」

というと助手席を手でサッサッサ
となでだした。

「なにやってる?」
桜佑が不思議に、聞いて見ると

「えっ!彼女さんに悪くて!
掃除しとこうと思って」
「(・・;)は?」
悠里の訳分からない思いやりに唖然
「いいから、いいから。
早く部屋で休んで」

桜佑はせき立てるように悠里を追い立てた。
車を自分のマンションへと入れると後部座席から牛乳とジャムパンが入ったコンビニ袋を取りだした。

桜祐は又コンビニに入り
牛肉弁当、女の子の好きそうな
プリン、ヨーグルトお菓子、
ポカリを買い上げ、コンビニ袋大に詰めて悠里のマンション
へとかけ上がる。

そんな様子を眺める一台の
車が横付けされていた。

「ふむ、仲良くやっておる
ようじゃな!」

「オホホ、ホンとに桜祐が買い物
袋を下げているなんて
初めて見ましたワ。
微笑ましい、長生きしましょうね
あなた、塩気をへらさないとね。
曾孫の顔を拝めませんよ。
帰りましょう。」

「ふむ」
老夫婦を乗せた車は真っ直ぐと走りだした。


エレベーターを使わず五階だから
結構重労働、これは運動、運動。
悠里のマンションに来たのは初めてだし、作りも結構新しい。  
桜祐はジロジロとマンションの中を見つつ歩いた。


トントントン
「はーい。」
ガチャリとした音と一緒に悠里は
‎( ⊙⊙)!!ビックリした顔を見せた。

部屋からバッと出て来て
ドアの前に立つ‼
「え、え・・っとなにか?」


「コレ買ってきた中入れて、
一緒に食べよう。」
コンビニ袋を手にかかげ

「食うぞ」
そう言った。

「いえ、点滴でお、お腹
いっぱいですからぁ⤵
け、け、結構です‼」アハハハハ💦
ど━━━━ぞ、ご自宅で
召し上がってください。
私点滴腹って言う奴で、
腹いっぱい‼アハハ、


バッ バッ バッ
顔を揺らしてバッと、中を覗く
桜佑をバッと、阻止
マタマタバッ、バッ、パパパ、パツ

バ━━━━━ン‼グイッOPEN
遂にあけられてしまった。

ガラーン
ん?桜佑は靴をポイと脱ぎ捨て
ドカドカと部屋に入り
キョロキョロ
そして叫んだ

「て、テーブブブルは?」
悠里は、床を指差し
は?は?は?は?
あぜん
「冷蔵庫は?
・・・・・・何処?」


段ボールの中に紙コップと使い回しの
割り箸って。
なんもなくない此処
ア、ハハハハ…・・・唖然。


「寝室見せて」
悠里は、両手を広げバタバタ阻止
桜佑はガッンと悠里の腕を掴み
寝室へと入場。

ポカ──ン

「あ・・・」

デデデデ━━━━━━━ン‼
な、なんじゃーこりゃ!
悠里の手作り布団を見て唖然

「えへへ暖かいんだよー
寝てみたら分かるって!💕」

桜佑は仕方なく発泡スチロール
布団に入って見た。

「成る程暖かいな!」

「ネエーでしょう。
暖かいよね
自分で作ったんだよーへへへ
バイト先の店長にたのんで
もらってきたんだー」

恥ずかしさをスッポ抜けた悠里は
自慢げに桜佑を見た。

「まさかペット飼ってないヨナ」

「(◍•ᴗ•◍)ペット?って?」

[🐭さんとか?カサカサカサ ゴキちゃんとか?だっだっ大丈夫か?]

「会ったこと無いから
居ないと思う。
多分、大丈夫ダヨォ 、キモ」

「掃除はしてるし、
馬鹿にしないで!!」

俺は工作の様な布団から
ガバッと起きて
「とりあえずメシ、メシ」

二人で床に座りコンビニ弁当を
開く。

「オレは、運動会の弁当開きを
思い出す。」

桜佑はゲラゲラ笑い
ポカリスエ〇〇をラッパ飲み
しながら∵ ブハッ!!


悠里は、金持ちの息子には1人で
生きていくと決心した娘の気持ち
なんか分かってもらえん。

そう思うと悲しくなったが
一人笑わせておいた。ギラッ
腹一杯笑え‼

悠里は弁当をゆっくり味わって食べ半分残して
朝ごはんの楽しみにしようと
思っていた。

冷蔵庫が無いからヨーグルト
プリン、日持ちのしないデザート
を先に堪能した。


「なぁ悠里、明日暇か?」
モグモグしながら桜祐が聞いて来る。

「バイトあるから、日曜日も
朝から5時迄仕事だし
暇は有りません。」

「バイト?」

「うん。」

「勉強付いていけるのか?」

「うん。
まだトップ」

「マジか!!凄いな
お前頭良いんだな!」

「工作も好き。」

「あーあ、そうだなアハハ
見てたら分かるよ。

でも夏も近いしこのままじゃ
食中毒になるぞ!
熱くなるし熱中症も、心配だろ‼」

「大丈夫、あんまり家じゃ
食べないし
暑くなったら公園で過ごすし。」

「じゃあ何処で何を食べるんだ?」

「食べない派だし
今は栄養素の詰まったゼリー
あるし、充分」

「ってか、学校のお昼は?」

「食べないよ。
水をいーっぱい飲むから
お腹は空かないしヘヘ」


「まさかずっとその生活」

「違うよ、スーパーの
おばちゃん達がたまにお昼
呼んでくれるから日曜日には
ちゃんとお昼は食べてるよ。」

「おま・・・」

俺があんな提案をしなければ
悠里は三食ちゃんと食べれて
弁当も家政婦さんが持たせて
くれたはず・・・

ちゃんとしたベットで
寝れたはずだ、しかしそれは
俺の嫁になるように
約束されている。

悠里が高校を卒業したら
大学に行きながらも加納の
家の嫁になる。
と言う事は俺も遊べ無い。
32迄は俺は結婚を阻止したい。

そんな気持ちが悠里を、手作り
工作生活に追い込んでいたのか?

・・・・・・どうしたらいいんだ?

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