毒舌王子は偽りのお人形の心を甘く溶かす


「うん。みんなの前でも水上くんの好きな私になれるようになったから」


揺れている瞳見ながらはっきりとそう告げると、ばっと顔を逸らされる。

誰とも付き合わないって言ったかと思えば今度は水上くんと付き合うって言ってるんだ。

それはこういう反応になって当然だ。


「ごめん」

「謝ることじゃない……けど。やっぱり悔しいな。でも、なんで急に付き合うになったんだ?あいつはかれんと俺が付き合ってるって思ってるはずだろ?」

「奪うって言ってた」

「怖っ……」


不思議そうに首を傾げた慎くんに教えてあげると、顔を一気に青くして自分自身を抱き締めた。


水上くんの執着心を考えると、もしも私が慎くんのことを好きだったら……

いや、考えるのはやめておこうか。
顔が青くなるだけでなく鳥肌も経ちそうだ。


「私の知らないところでそんな面白いことになってたなんて……!もっと早く教えてよ!!」

「水上……最近やたら見てくると思っていたらそういうことか」


私たちが震えているのをよそにガールズはにやにやを隠そうともしない。

ほんとに恋バナ大好きだな、女子高生。


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