毒舌王子は偽りのお人形の心を甘く溶かす
毒舌王子と共に
────それから三日空いて金曜日。
私と水上くんはいまだに顔見知り程度の仲だ。
よく考えてみると、私たちは同じクラスでもなければ友達と呼べるほど仲がいいわけでもない。
それがどうしてこんなに惹かれ合うのか……不思議なこともあるものだ。
……って、そうじゃなくて。
月曜日に出来ているはずの告白をなぜいまだに出来ていないかと言うと、あの、ことごとく私の妨害をしてくるテキトー教師が、私の空いた時間すべてに雑用を押し付けてくるからであった。
雑用をしないと私の成績をみんなにバラすぞという最低な脅し付きで。
今すぐ教師をやめればいいのにと、わりと本気で思った。かろうじて視線で訴えるだけに留めたけど。
仮面をつけることなくゴミを見るような目を向けると嬉しそうにしていたから、あの最悪教師は変態教師なのかもしれない。
そして、その変態は火曜、水曜、木曜と頑張ったらようやく解放してくれた。
私が実は才能豊かで感情が出にくいということは既に周知の事実だからバラされてもいい。
そのことに気づいたのは真面目に働き終わって帰宅したあとのことだ。
すごく時間を無駄にしてしまった気がする。