雲居の神子たち
尊と女の戦いは一進一退。

自分を守るのが精一杯の私は見ていることしかできない。

「いい加減、若様もしつこいねえ」

女にはまだ余裕がありそうに見える。
一人で二人を相手にしているのだから女の方が不利なはずなのに。

チラリと私を見て、指一本で私に呪文をかける。

ウゥ。
私は息ができなくなって、もがきながら意識を集中する。

はあはあはあ。
やっと息ができるようなると、目の前の尊が炎に包まれていた。

大丈夫、尊なら回避できるはず。
しかし、

炎に包まれた尊に剣が向かっている。

マズイ。
このままじじゃ尊が、

気が付けば女に向かって突進していた。

このままじゃ尊が危ない。その思いが私を動かした。

ドンっ。
床に倒れる女。

尊を包み込んでいた炎も剣も消えた。

「やってくれるじゃないか神子様。でも、あたしを本気にしたことを後悔するんだね」

言い終わると同時に、女の指が私の首に食い込む。

ウ、ウウ。

く、苦しい。
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