雲居の神子たち
宿舎に連れ戻された俺たち。

部屋の中には、俺と八雲と、朝倉神官。
それに、もう1人。
稲早の家に使える宇龍(うりゅう)がいた。
きっと、稲早の異変を聞いて駆けつけたのだろう。

「何があったのか説明なさい」

朝倉神官の言葉に、今更隠すことはないと俺は昨夜のことをすべて話した。


「尊?」
朝倉神官も宇龍も、尊のことを気にしている。

「素性は分かりません。見た目から、雲居の人間でないことは確かですが」
俺も八雲も、尊について必死に説明した。

しばらく、朝倉神官と宇瑠は話し込んでいた。

「とにかく今日はもう休みなさい」
一通り事情を聞き終えた朝倉神官が、指示する。

そして、
それぞれの館から宿舎に戻ることと、1ヵ月の謹慎。
それが俺たちに与えられた罰。

「もしまた抜け出したら、深山にいられないと思いなさい」
疲れ切った顔の朝倉神官が釘を刺した。
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