雲居の神子たち

「須佐、八雲のことが気にならないの?」
「え、なんで八雲が?」

ほら反応した。
須佐が八雲と聞いて動かないはずがない。

「石見だって、白蓮が気にならないの?」
「それは・・・」

石見だって白蓮が気にならないはずがないものね。

「さっきの魔導士が、白蓮や八雲を襲っているかもしれないのよ。それでもいいの?」
「「それは・・・」」

「わかった。行けばいいんだろう」
とうとう尊が折れた。

ヨシッ。心の中でガッツポーズ。
でも、この時の私は移動手段までは考えてなかった。

「ただし、最速で稲早に負担が少ない移動方法をとるから、文句は言うなよ」
「もちろん」

最速の方法なら文句なんてない。

「須佐、石見、俺の体をつかめ」

は?
尊に抱えられ動けない私はポカンと口を開けた。

意味が分からないまま肩や腕をつかんだ二人。

「よし、目を閉じろ。そして、何があっても目を開けるな。絶対に動くな。いいな?」

「あ、ああ」
「わかった」

「稲早も、じっとしていろよ」
「うん」

返事をし、とりあえず目を閉じた。
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