雲居の神子たち
目的地まで着た瞬間、石見も須佐も膝をついてその場に倒れこんだ。
私は抱えられたままで動けなかったけれど、きっと一人では立っていられなかったと思う。

「大丈夫か?」
放心状態の私に、尊が声をかけてくれる。

大丈夫なわけがないでしょう。
全身を切り刻まれるほどの痛みを味わったのだから。

「他に方法はなかったの?」
つい愚痴が出た。

「なくはないが、急いでいたし。それに、能力を使う時間が長くなれば、俺の所在がばれる可能性が増えるんだ」

はあ、なるほど。
尊も危険を冒して協力してくれたってことね。
そりゃあ文句も言えないか。

「それで、八雲は近くにいるのか?」
あたりを見回しながら、須佐は八雲を探している。

「その先の古家隠れているはずだ」

フーン。

「行ってみよう」
やっと立ち上がった石見が歩き出し、私を抱きかかえたままの尊と須佐もそれに続いた。
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