捨て猫は関西弁男子
「そうや楓。
告白するタイミングを逃した俺がわるいんやが、お風呂場から下着姿で出てくるのはやめた方がいいぞ。」
「なっ…!見たの!?」
「不可抗力や。それに下着は上下セットで着たほうがええんちゃうか。」
「は?余計なお世話よ。
このすけべ猫っ!!」
最悪だ。
パジャマを取りに行くのが面倒でついついやっていた癖が仇になってしまった。




「そういえば、いつになったら出て行くの?」
「出て行く?一緒に住むとちゃうん?」
「私は猫を飼いたがっただけで、赤の他人とルームシェアする気はないよ。」
女子大生が見ず知らずの男の人と住むとかおかしいでしょ。
「人情味のないやっちゃなぁ。
でも、俺住むとこないねん。
ここに住まわせてもらえんかったら、寒空の下震えながらダンボールハウスで暮らすしかないなぁ。」
あぁ辛いと言って武蔵は何か言いたげな顔をして私を見る。
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