捨て猫は関西弁男子
「それで餓死したら末代まで化け猫が坂井家を呪うかもしれへんぞ。
楓の周りでは奇妙なことが次々と起こるようになって、あの時オッドアイのイケてる猫拾ってやれば良かったなぁって後悔しても遅いねん。
大体、猫の飼育放棄は動物愛護団体に訴えられて後々の就活に影響するかもしれへん。
今大学2年生やったっけ?
後悔先に立たずって言う言葉知らへんの?
そういや、最近の若者は語彙が足りてへんのや。
ちっこい画面ばっかり見よって少しは新聞読んでニュースを……」
「わかった。わかったから。住まわせてあげればいいんでしょ?」
話が脱線して古臭いおっさんの説教が始まったところで私は話を遮った。
最近の若者って……武蔵は一体いくつなんだろうか。
ぱっと見は私より2、3歳年上に見える。
「ほんまか!ありがとう」
武蔵は猫の姿に戻って嬉しそうに私に擦り寄った。
うっ!可愛いっ。
我ながらチョロいな。
< 14 / 16 >

この作品をシェア

pagetop