捨て猫は関西弁男子
このままだともっと濡れてしまう。
私は着ていたパーカーを脱いで猫に被せ、家に戻った。



急いで洗濯物を取り込んだ後、私は雨で体に張り付いた洋服を脱ぎ、大きなバスタオルで全身を拭って新しい洋服に着替えた。
インスタントコーヒーを淹れて、一息つく。



「あの猫大丈夫かな…」
窓に雨が打ち付けられて酷い音がしている。
パーカーを被せたけれど、あんなのじゃ防ぎ切れないだろう。
居ても立っても居られなくなって、私は傘を2本持ち再び外へ出た。



辺りを見渡すと、すぐそこにあの段ボールがあった。
濡れて水分を吸ってしまったパーカーを剥がすと猫が顔を出す。
私はさしている傘とは別の傘を開き、猫が濡れないよう地面に置いた。
「これでよしっ」
風が吹かない限り雨を防いでくれるだろう。
< 2 / 16 >

この作品をシェア

pagetop