江藤くんはループしがち
敏感体質
「ん、あれ?」
それはいつもの学校風景だった。
慶谷中学校2年A組。
節分が終わった2月8日の月曜日。
窓から見える景色はまだ寒々しく、しかしなんの代わり映えもしない教室内。
しいて言うならバレンタインが近づいてきていることでみんな少しだけ落ち着かない雰囲気をしていることくらい。
でも、今あたしが気になったのはそんなことじゃなかった。
「どうしたの亜美」
クラスメートで友人である中谷里香(ナカタニ リカ)がポニーテールを揺らしてたずねてくる。
あたしは首をかしげて「いやぁ、なんかおかしいなぁって思って」と、言葉をあいまいに濁した。
「おかしいってなにが?」
「それは、えっと……」
なにかがおかしいと感じたことは確かなのだが、違和感の正体をつかむことができずあたしはとまどう。
教室の空気がいつもと違うと言えばいいんだろうか。
それでも、教室内に広がっている光景はいつもと変わらないものだった。
「亜美?」
里香が不振そうな表情をこちらへ向けてきたので、あたしは慌てて笑顔を取り繕った。
それはいつもの学校風景だった。
慶谷中学校2年A組。
節分が終わった2月8日の月曜日。
窓から見える景色はまだ寒々しく、しかしなんの代わり映えもしない教室内。
しいて言うならバレンタインが近づいてきていることでみんな少しだけ落ち着かない雰囲気をしていることくらい。
でも、今あたしが気になったのはそんなことじゃなかった。
「どうしたの亜美」
クラスメートで友人である中谷里香(ナカタニ リカ)がポニーテールを揺らしてたずねてくる。
あたしは首をかしげて「いやぁ、なんかおかしいなぁって思って」と、言葉をあいまいに濁した。
「おかしいってなにが?」
「それは、えっと……」
なにかがおかしいと感じたことは確かなのだが、違和感の正体をつかむことができずあたしはとまどう。
教室の空気がいつもと違うと言えばいいんだろうか。
それでも、教室内に広がっている光景はいつもと変わらないものだった。
「亜美?」
里香が不振そうな表情をこちらへ向けてきたので、あたしは慌てて笑顔を取り繕った。
< 1 / 121 >