江藤くんはループしがち
「花粉症だよ」
返事をする声がひどくくぐもってしまう。
鼻がつまって呼吸が苦しくて、自然と口呼吸になる。
「あ、そっか。大変だなぁ」
江藤くんは眉を寄せて深刻そうな表情でうなづく。
里香と違って親身になって聞いてくれているのがわかって、胸の奥が暖かくなた。
江藤くんと仲良くなったのはループがきっかけだったけれど、こうして話せるようになってよかったと思っている。
単純に、江藤くんはいい人だ。
「江藤くんは平気なの?」
隣から里香が会話に加わってきた。
「今のところはね」
そう言ってさわやかな微笑を浮かべている。
真央ちゃんのことも随分と吹っ切れてきたのか、最近笑顔が増えてきたように感じられる。
そんな江藤くんを見て成長したなぁなんてしみじみと感じていると、担任の先生が教室に入ってきた。
先生も大きなマスクをつけていて、目は真っ赤に充血している。
「ホームルームをはじめるぞぉ」
そう言った次の瞬間、先生は大きなクシャミをしたのだった。
返事をする声がひどくくぐもってしまう。
鼻がつまって呼吸が苦しくて、自然と口呼吸になる。
「あ、そっか。大変だなぁ」
江藤くんは眉を寄せて深刻そうな表情でうなづく。
里香と違って親身になって聞いてくれているのがわかって、胸の奥が暖かくなた。
江藤くんと仲良くなったのはループがきっかけだったけれど、こうして話せるようになってよかったと思っている。
単純に、江藤くんはいい人だ。
「江藤くんは平気なの?」
隣から里香が会話に加わってきた。
「今のところはね」
そう言ってさわやかな微笑を浮かべている。
真央ちゃんのことも随分と吹っ切れてきたのか、最近笑顔が増えてきたように感じられる。
そんな江藤くんを見て成長したなぁなんてしみじみと感じていると、担任の先生が教室に入ってきた。
先生も大きなマスクをつけていて、目は真っ赤に充血している。
「ホームルームをはじめるぞぉ」
そう言った次の瞬間、先生は大きなクシャミをしたのだった。