江藤くんはループしがち
「忘れることなんてないから大丈夫だよって。思い出す回数が減ってきたのは、相手が常に自分の胸の中にいるようになったからだよって」


里香はそう言うと自分の胸に手を当てて見せた。


そこにはきっとくぅちゃんが今でも生きているのだろう。


「真央ちゃんも、江藤くんの胸の中にいる?」


「もちろんだよ」


本人がいなくなっても、思い出は消えない。


自分が覚えている限り、生きている。


そう伝えてあげればいいんだ。

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