江藤くんはループしがち
あれは中学1年生の頃だった。
まだ入学して間もない4月下旬のこと。
すべての授業が終わり、ホームルームもあと少しで終わるという時間帯。
不意にあたしの衝撃が走ったのだ。
モヤなんて生易しいものじゃない。
命の危険を知らせるようなシグナルだ。
あたしは咄嗟に立ち上がり『みんな机の下に隠れて!』と、叫んでいた。
どうして『逃げて!』と言わなかったのか、今でも不思議だ。
あたしの絶叫に驚いた生徒も先生も一瞬硬直してしまっていた。
しかし、あたしが最初に机の下に隠れたことで、みんなも同様に隠れてくれた。
きっとみんななにがなんだかわからないままだったと思う。
だけどその直後だ。
体に感じるほどの地震が起こったのだ。
ロッカーの上で買っていた金魚鉢の水がゆらゆらとゆれて、生徒たちの中からは悲鳴も聞こえてきた。
あとで確認したらその自身は震度4だったが、けが人は一人も出なかったのだった。
それ以来、あたしのことを預言者扱いする生徒も出てきた。
でも、あたしが感じているのは違和感で、予言ができるわけじゃないから、その噂もすぐに消えていった。
まだ入学して間もない4月下旬のこと。
すべての授業が終わり、ホームルームもあと少しで終わるという時間帯。
不意にあたしの衝撃が走ったのだ。
モヤなんて生易しいものじゃない。
命の危険を知らせるようなシグナルだ。
あたしは咄嗟に立ち上がり『みんな机の下に隠れて!』と、叫んでいた。
どうして『逃げて!』と言わなかったのか、今でも不思議だ。
あたしの絶叫に驚いた生徒も先生も一瞬硬直してしまっていた。
しかし、あたしが最初に机の下に隠れたことで、みんなも同様に隠れてくれた。
きっとみんななにがなんだかわからないままだったと思う。
だけどその直後だ。
体に感じるほどの地震が起こったのだ。
ロッカーの上で買っていた金魚鉢の水がゆらゆらとゆれて、生徒たちの中からは悲鳴も聞こえてきた。
あとで確認したらその自身は震度4だったが、けが人は一人も出なかったのだった。
それ以来、あたしのことを預言者扱いする生徒も出てきた。
でも、あたしが感じているのは違和感で、予言ができるわけじゃないから、その噂もすぐに消えていった。