江藤くんはループしがち
☆☆☆
男女混合の体育といっても、男子は体育館のステージ側。
女子は体育倉庫側を使ってそれぞれバレーをする授業だった。
運動があまり得意でないあたしは、朝からずっと体育の授業があるのが憂鬱な気分だった。
「江藤君って結構運動できるんだね」
一緒に得点係りをしていた里香がそう言うので、あたしは振り向いて男子のコートへ視線を向けた。
江藤君はコートに入っていてバレーボールを華麗に打ち返している。
「本当だ。意外だなぁ」
江藤君の存在を意識し始めてまだ少ししか経っていないけれど、ずっと音楽を聴いていて運動できるイメージはなかったのだ。
「江藤君って部活動やってるのかな?」
「さぁ、わからない」
里香の質問にあたしは首をかしげる。
でも、あれだけ運動神経がよければなにかしていそうだ。
そういうことも調べていくうちに大切になってくるだろう。
「はい、じゃあ得点係りと交代!」
体育の先生の合図にギョッとして視線を戻る。
見れば練習は終わっていて次はあたしがコートに入る番だった。
一気に気分が落ち込んでいく。
「ほら、行くよ!」
あたしの気持ちなんて少しも気がつくことはなく、里香は元気いっぱいにコートへ向かって歩き出したのだった。
男女混合の体育といっても、男子は体育館のステージ側。
女子は体育倉庫側を使ってそれぞれバレーをする授業だった。
運動があまり得意でないあたしは、朝からずっと体育の授業があるのが憂鬱な気分だった。
「江藤君って結構運動できるんだね」
一緒に得点係りをしていた里香がそう言うので、あたしは振り向いて男子のコートへ視線を向けた。
江藤君はコートに入っていてバレーボールを華麗に打ち返している。
「本当だ。意外だなぁ」
江藤君の存在を意識し始めてまだ少ししか経っていないけれど、ずっと音楽を聴いていて運動できるイメージはなかったのだ。
「江藤君って部活動やってるのかな?」
「さぁ、わからない」
里香の質問にあたしは首をかしげる。
でも、あれだけ運動神経がよければなにかしていそうだ。
そういうことも調べていくうちに大切になってくるだろう。
「はい、じゃあ得点係りと交代!」
体育の先生の合図にギョッとして視線を戻る。
見れば練習は終わっていて次はあたしがコートに入る番だった。
一気に気分が落ち込んでいく。
「ほら、行くよ!」
あたしの気持ちなんて少しも気がつくことはなく、里香は元気いっぱいにコートへ向かって歩き出したのだった。