江藤くんはループしがち
「初めて真央が家に来たときは驚いた。こんなに可愛い子がいるんだって思って」


江藤君は当時のことを思い出すように目を細めて呟く。


『はじめまして、真央です』


そう言って俺の前でペコンとお辞儀をしたのは小さな天使だった。


色が白くて、髪の毛はツヤツヤで、唇はぷっくりと膨らんでいて、目は大きく、まつげはながい。


可愛い以外に表現の仕様がなく、俺はつい真央に見入ってしまっていた。


そんな俺を見て真央は小首をかしげる。


戸惑いが顔になった真央に気がついて慌てて『はじめまして。俺は勇(ユウ)』と簡潔に自己紹介をした。


本当はもっと沢山会話をしたかったけれど、緊張してしまってできなかった。


でも、それだけの自己紹介でも真央は嬉しそうに笑ってくれた。


『よろしくね、勇お兄ちゃん!』


そう言って頬をピンク色に染める真央に、いつの間にか恋に落ちていた。


真央を守りたい。


真央とずっと一緒にいたい。


そう思うまでに時間はかからなかった。
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