江藤くんはループしがち
☆☆☆
真央ちゃんの誕生日会は大成功だった。
あたしと里香は最後まで残り、横断幕以外の片づけをして病院を出ていた。
真央ちゃんも江藤君も看護師さんもとても楽しそうだったのを思い出す。
いつもと違う雰囲気を味わってくれたなら、それで良かったといえる。
「ちょっと、待ってくれ!」
バス停の前までやってきたときそんな声がして振り向いた。
そこには息を切らして江藤君が走ってきたところだった。
「今日は本当にありがとう! みんなのおかげで、真央は大事な時間を過ごせたと思う」
そう言って深く頭を下げる。
あたしは慌てて左右に首を振った。
「なに言ってるの、あたしは自分のやりたいことをしただけだよ」
「そんなことない。俺1人じゃ病院で誕生会をしようなんて考えつかなかった。妹の存在だって、ずっと隠してたし……」
そう言って、江藤君は一旦うつむいた。
そして何かを考えるように黙り込み、勢いよく顔を上げる。
「今回のことで勇気がでた! やろうと思えばなんでもできるんだよな。だから俺、やってみようと思う」
それがなんなのか詳細は言わなかった。
だけどあたしには江藤君がなにをしようとしているのか、なんとなく理解できた気がした。
きっと、真央ちゃんに自分の気持ちを伝えるんだ。
真央ちゃんの誕生日会は大成功だった。
あたしと里香は最後まで残り、横断幕以外の片づけをして病院を出ていた。
真央ちゃんも江藤君も看護師さんもとても楽しそうだったのを思い出す。
いつもと違う雰囲気を味わってくれたなら、それで良かったといえる。
「ちょっと、待ってくれ!」
バス停の前までやってきたときそんな声がして振り向いた。
そこには息を切らして江藤君が走ってきたところだった。
「今日は本当にありがとう! みんなのおかげで、真央は大事な時間を過ごせたと思う」
そう言って深く頭を下げる。
あたしは慌てて左右に首を振った。
「なに言ってるの、あたしは自分のやりたいことをしただけだよ」
「そんなことない。俺1人じゃ病院で誕生会をしようなんて考えつかなかった。妹の存在だって、ずっと隠してたし……」
そう言って、江藤君は一旦うつむいた。
そして何かを考えるように黙り込み、勢いよく顔を上げる。
「今回のことで勇気がでた! やろうと思えばなんでもできるんだよな。だから俺、やってみようと思う」
それがなんなのか詳細は言わなかった。
だけどあたしには江藤君がなにをしようとしているのか、なんとなく理解できた気がした。
きっと、真央ちゃんに自分の気持ちを伝えるんだ。