江藤くんはループしがち
☆☆☆

翌日、2月4日の木曜日が来た。


昨日の誕生日会を思い出すと心の中が暖かくなる。


2年A組の生徒たちの優しさが感じられる会になったと思う。


学校へ向かうとみんな昨日の誕生会の話題で持ちきりだった。


自分は何をしたとか、どんなプレゼントを選んだとか。


真央ちゃんが可愛かったとか、江藤君には似ていないとか。


前回までは見られなかった光景がそこにある。


今ではみんな真央ちゃんの存在を知っていて、真央ちゃんのことを友達だと感じている。


「緑川」


席に着いたところで後ろから声をかけられて振り向いた。


そこには江藤君が立っている。


「おはよう江藤君」


「おはよう。ちょっと話があるんだ」


なに?


と、質問をする前に江藤君は歩き出した。


あたしは慌てて席を立ち、その後を突いていく。
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