江藤くんはループしがち
☆☆☆
「今日の亜美はボーっとしちゃってどうしたの?」
朝のホームルームが終わると里香がやってきた。
さっきあたしが笑われたことを言っているらしい。
笑われたことはショックだったけれど、今はそれ所じゃなかった。
今回のループの原因がもう少しでわかりそうなのだ。
できれば、もう持久走はしたくないし。
あたしは視線を江藤くんへ向けたまま、今日をループしていると里香に伝えた。
里香は目を見開いて「またぁ?」と驚いている。
「でも原因はわかりかけてるの」
あたしはそう言って視線で江藤くんを見るように促した。
江藤くんはちょうど生徒手帳を開いて確認しているところだった。
「江藤くん、放課後には生徒手帳を無くしているみたいなの。きっと、それが原因」
「生徒手帳?」
里香は首をかしげている。
「うん。でもわかんないよね。どうして生徒手帳がそんなに大切なのか……」
江藤くんは少しの間生徒手帳を開いて確認していたが、なにもメモすることなくむねポケットにしまった。
あれを1日に何度も繰り返していると思うと、やっぱり妙だった。
「それじゃ、江藤くんが生徒手帳を無くさないように見張っていればいいってこと?」
里香の言葉にあたしはうなづいた。
そう簡単にいくことじゃないかもしれないけれど、用はそれで合っている。
「まかせて、あたしも注意してみていてあげるから!」
里香は胸を張ってそう言ったのだった。
「今日の亜美はボーっとしちゃってどうしたの?」
朝のホームルームが終わると里香がやってきた。
さっきあたしが笑われたことを言っているらしい。
笑われたことはショックだったけれど、今はそれ所じゃなかった。
今回のループの原因がもう少しでわかりそうなのだ。
できれば、もう持久走はしたくないし。
あたしは視線を江藤くんへ向けたまま、今日をループしていると里香に伝えた。
里香は目を見開いて「またぁ?」と驚いている。
「でも原因はわかりかけてるの」
あたしはそう言って視線で江藤くんを見るように促した。
江藤くんはちょうど生徒手帳を開いて確認しているところだった。
「江藤くん、放課後には生徒手帳を無くしているみたいなの。きっと、それが原因」
「生徒手帳?」
里香は首をかしげている。
「うん。でもわかんないよね。どうして生徒手帳がそんなに大切なのか……」
江藤くんは少しの間生徒手帳を開いて確認していたが、なにもメモすることなくむねポケットにしまった。
あれを1日に何度も繰り返していると思うと、やっぱり妙だった。
「それじゃ、江藤くんが生徒手帳を無くさないように見張っていればいいってこと?」
里香の言葉にあたしはうなづいた。
そう簡単にいくことじゃないかもしれないけれど、用はそれで合っている。
「まかせて、あたしも注意してみていてあげるから!」
里香は胸を張ってそう言ったのだった。