クールな副社長の秘密~偶然知ったら溺愛されて妻になりました~
 入口の扉を開けると、迫力のある美人の店員さんが立っていた。

「樹、いらっしゃい」

「ああ。藤堂は?」

「相変わらず素っ気ないわね。いつもの個室よ」と答えた美女と目が合った桃華。

「こ、こんばんは」ビクビクしてしまう。

「キャア~何?樹が女の子連れてる~」

 急に興奮の声が上がる。そして、そのまま裏に走って行ってしまった。

「俺や雅紀の同級生夫婦が経営してる店なんだ。騒がしいだろ?すまないな」

「いえ。凄い美女に驚きました」

「……美女?あいつが?魔女の間違いだろ……」

「誰が魔女ですって?」

 中から出てきた美女がガッシリした男性を連れてきた。

「よう。樹。涼子が煩くてすまない」

「なによあなた。煩いはないでしょう?あの樹が女の子連れて来たのよ」まだ興奮状態だ。

「初めまして。この店のオーナーの森です。こっちが妻の涼子」

「初めまして、相川桃華と申します」

「ゆっくりして下さいね」

「ありがとうございます」

「桃華行こう」

 樹が桃華の腰に手を回しエスコートして個室に向かう。

 後ろでは、涼子がキャッと声を上げたのが聞こえた。
< 104 / 173 >

この作品をシェア

pagetop