クールな副社長の秘密～偶然知ったら溺愛されて妻になりました～

　この日から芦屋の豪邸での三人の生活が始まった。

　部屋は沢山余っていて桃華にも客室を用意してもらった。樹の部屋は、毎週土曜に泊まっているため困らない。

　出社には、社長の運転手つきの車に乗る事となった樹と桃華。退社時間は、みんな一緒で困ることはない。

　ただ桃華は最初、社長の車で出社なんて恐れ多いと断ったのだ。電車でもいつもの通勤時間と変わらない。だがそこは社長からお願いされた。お世話になっているのだから、車に乗ってほしいと……。

　そこで樹に地下の駐車場から一階まで階段で上がってからエレベーターに乗ればいいと提案され何とか話が纏まった。

　遠慮する必要はないと言われても、社長と一緒に出社していると知られたら、なんと言われるかわからない…

　社長は普段一人の生活だが広い家。通いの家政婦さんが掃除洗濯から夕食の準備までしてくれる。

　お庭の手入れは庭師さんにお願いしている。

　長年お世話になっている信頼出来る人達のようだ。今日から、樹や桃華の夕食も用意してもらえると至れり尽くせりな生活だ。