クールな副社長の秘密~偶然知ったら溺愛されて妻になりました~
 朝、桃華は早めに起きた。家にあるものは何でも勝手に使っていいと聞いている。

 月曜の朝食は、前日に樹が置いて帰るパンを食べている社長。

 昨日は社長のケガもあり、樹は翌日のパンのことまで考える余裕がなかった。だから食パンが一斤残っているだけだ。

 桃華は、普段からパン生活をしていて、この食パンをどうやって食べようかと朝からウキウキ考える。厚切りにして、両面をフライパンで焼いたらカリフワの食感が最高だろう。

 そうと決まれば、あとはサラダとスクランブルエッグにしよう。鼻歌を歌いながら手際よく用意していく。

 珈琲メーカーも桃華がほしいと思っていたポーションタイプの物が置いてある。色々な味のポーションにテンションが上がる。

 ほぼ用意が出来た頃、朝から色気だだ漏れの樹が気だるげに起きてきた。

「おはようございます」と元気な桃華。

「おはよう。朝から桃華は可愛いなぁ」甘々モードの樹。

 顔を真っ赤にした桃華を抱きしめ『チュッ』とキスをする。

 樹の中ではもう同棲生活だと思っている。このチャンスを逃すまい。

 昨夜も一緒に寝ないか?と誘ってみたが、恥ずかしいと逃げられた。

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