クールな副社長の秘密～偶然知ったら溺愛されて妻になりました～

　そして、自宅は大通りに面した店の裏手の路地を入ったところに入口がある。

　普段自宅の前に、父親と兄の車が止めてあるのだが、連絡をしていたので兄の車は表の店の前に止めてくれていた。

「樹さん、そこの空いている所に止めて下さい」

「ああ。いいのか？」

「はい。兄の車は店の前に止めてたので」

「ああ」

　先程、店の前には真っ白な高級SUVが置かれていた。

　駐車しながらも、いよいよだと気合いを入れ直す。桃華から実家の話を聞いた樹は、予備知識をいれるため和菓子屋のことを調べていたのだ。

　名前を入れると店の評判はもちろんだが、それ以上に桃華の兄である若旦那の話題が凄かった。かなりのイケメンで物腰も柔らかく女性客から評判がいいらしい。しかも、英語が堪能で外国人観光客にも高評価だった。

　樹はクールと言われるが、桃華の兄は正反対のようだ……。

　兄の話題は出てきたが、父親に関しては表に出ないのか、情報は全くわからなかった。