クールな副社長の秘密~偶然知ったら溺愛されて妻になりました~
「初めまして」樹は緊張の面持ちになる。

「入口に立ってないで、ソファーに座って話をしましょう」母が雰囲気を和ませてくれる。

「はい」

「お父さん久しぶり」

 桃華が言った瞬間、今までの父の雰囲気が一転する。

「桃華~やっと帰ってきたな。会いたかったぞ」

「お父さんいつも忙しいじゃない」

 桃華はいつもの返しをするが、樹は目が点になっている。

 兄に続き父親も桃華が大好きなのだ。桃華に今まで彼氏が出来なかったのは、桃華は気づいていないがこのふたりが関係しているのでは?と瞬時に見抜く。

 そのおかげで、自分が桃華の初めての彼氏になれたのだから感謝の気持ちと、これからの反応を思うと不安が襲う……。

 桃華と母親以外は、ピリピリした空気が漂う……。


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